帝松のこだわり
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ミネラル豊富な天然水を使用
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お酒は水が命。水の善し悪しでお酒の味は大きく変わってしまいます。
当蔵の位置している小川町は、昔から「酒造りの適地」として知られており、良質な水が採取できる地としても有名でした。帝松の酒造りに使用しているこの特異な仕込み水は、地殻変動によって海が隆起してできた石灰岩の山々が連なる秩父山で濾過された天然水です。この秩父山に降った雨が石灰岩の中で濾されて山々を抜け、伏流水となり、数十年の歳月をかけてここ小川町の地下を流れます。当蔵では、それを地下130メートルから汲み上げ仕込み水として使用しています。
この水は「硬度149mg/ℓ」と、日本の仕込み水としてはトップクラスの硬水です。これは酒造りに最適な仕込み水として知られている兵庫県灘の「宮水」以上に硬度が高く、ミネラル分が豊富であることが某酒類卸業者の調査により判明しました。しかし実際にこの特異な天然地下水を飲んでみると、「硬水なのに柔らかい」不思議な水であることを感じていただけます。
このミネラル分豊富な天然水は、酵母の発育を促し、特有の旨味とキレ、そして丸みを造り出します。さらに、併せて低温発酵タンクを用いることで通常よりも低温帯でゆっくりと発酵させることができ、帝松特有のまろみと奥深さを持ったお酒が生まれます。
雑味を消し米の特徴を引き出す精米
当蔵は、酒造りの原料となる「お米」へのこだわりを持ち続けてきました。お米にはそれぞれ特有の旨味と香りがあり、兵庫県産「山田錦」や岡山県産「備前雄町」、埼玉県産「さけ武蔵」、山形県産「山酒4号(通称 玉苗)」など、目指す酒質に合わせて全国から厳選したお米を使用しています。
酒造りには、皆さんが普段口にしているお米よりも粒の大きい「酒造好適米」という酒造り専用のお米を使用します。お食事用のお米は玄米の状態から7~8%程まわりを磨いたものですが、当蔵では最低でも30%以上は磨いています。なぜお米を磨くかというと、お米の表面はタンパク質などの栄養分が多いゆえに、お酒になった時に雑味が出てしまうからです。香り高く旨味のあるお酒を造る為には、お米を磨くことが必要です。また、磨きすぎてもそのお米の持つ特徴などの「味」の部分がなくなってしまうため、それぞれの特徴を見極めながら、美味しさを最大限引き出せる部分まで磨いています。
酒の生命線である「醗酵」を徹底管理
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酒造りの生命線である、発酵を管理する設備「発酵タンク」。当蔵では、杜氏の狙った温度帯を確実にキープできるように最新の低温発酵タンクとコンピューターを用いて、きめ細かな温度管理を行っています。このタンクは二重構造となっており、外側部分に冷水が回る仕組みとなっています。この仕掛けで温度管理を徹底することにより、「発酵」をコントロールしています。
お酒の種類にもよりますが、発酵には酵母造りから数えると50日程度の日数がかかります。上記の通り仕込み水には、酵母の発育を促すミネラル分豊富な天然水を使用しているため、このタンクを用いてより低温帯でゆっくりと発酵させることにより、フルーティーな香りと特有のまろみのあるお酒を作り出すことができます。
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香りと旨みを維持する搾り
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当蔵では、大きなフィルター型の搾り機を使用しています。これはもろみが空気に触れ、吟醸酒などの高級酒特有の香りが飛ばないようにするためのこだわりです。この搾り機はアルミの板とゴムの板が交互に並んでおり、油圧でもろみがこぼれないよう締め付ける構造になっています。この各板の間にもろみを流すと、空気に全く触れずもろみを搾ることができます。搾り立ての生原酒や吟醸酒はすぐに冷蔵庫で保管され、それ以外のお酒は貯蔵庫に送られ熟成を待ちます。大吟醸に関しては、もろみの重みだけで搾る「袋吊り」という伝統的な方法を用いています。
お酒を造る二つの菌
日本酒を造るために重要な菌が2つあります。「麹」と「酵母」です。「麹」はカビの一種で、米のデンプンを糖に変える働きがあります。「酵母」は麹がつくった糖を食べ、アルコールと旨味成分を造る働きがあります。
※酵母がアルコールを造り出すとき、炭酸ガスを一緒に発生させます。新酒に炭酸が含まれているのはこのためです。
麴菌と酵母菌にも様々な種類がありますが、当蔵では酒米同様に目指す酒質に合わせ使用しています。
この「麹」と「酵母」の作用をコントロールすることが旨い酒造りの秘訣のため、細心の注意を払い作業を行います。
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